この上なく晴天の中
愛知県春日井市内で進行中の住宅「廻間町の家」の建て方が行われました。
この日ばかりは建築が建ち現れる瞬間を見逃すまいと一日中現場で過ごすのですが
パソコンを持参しながらも一度もパソコンを開かないのは恒例行事で。
そりゃこの晴天の中、12時間もカメラ回していたら日焼けをする季節なのは当たり前で
そんなこたぁお構いなしにカメラ片手に動き回る僕は、今やマスクを取ってもマスクフェイスなわけで
途中、さすがに心配してタオルと日焼け止めクリームを貸して頂いたお施主様、本当にありがとうございました。
あれが無かったらと思うとゾッとする日焼けの仕方。
ずっと撮影していたくもなるこの、明らかにただ者では無い雰囲気を出し始めたこの頃
大変な工事になると予想はしていたが、遠目から見ているだけでわかる想像以上の大変な工事。
あまりの難しい工事に申し訳ない気持ちにもなりかけたが
終始楽しそうに、誇らしげに、目をキラキラさせて手を動かす大工さん達の姿を見るとそんな気持ちは吹っ飛び
この建築を共に実現できるのがこの方々で本当に良かったと改めて実感。
この建築はいわゆる「チェック監理」だけでは無理なので
3Dモデルで全ての部材を正確に起こし、デジタルで建てるシミュレーションを繰り返すことが必要。
施工者からの資料を待つのでなく、お互いに正確に起こしたモデリングを答え合わせすることで精度を高めようと試みました。
大変な事前準備でしたが、その甲斐あって建ち現れた建築は僕らの計算そのままの姿。
直線材のみで3次元曲面の屋根をつくるために、全て高さや角度、長さも異なる梁の点と点をピッタリと合わせる精度が求められましたが
これは本当に計算ではなく、その繊細な感覚を持つ大工さんの技術の賜物。
「よくもまぁ、こんなもん考えつくなぁ」
と大工さんからお褒めの言葉を頂きましたが
僕からすると
「よくもまぁ、こんなもん建てられるなぁ」です。
創造して設計するのは簡単なこと。
それを実現して頂ける大工さんの素晴らしい技術は日本の宝として永遠に継承されてほしいものです。
ひとまずの上棟、誠におめでとうございます。
皆さんには一息入れて頂き
僕は奥さんのよく分からないクリームを顔に塗りたくり
マスクしてまた次の現場打ち合わせでお会いしましょう。
2022年4月18日
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