
先日、非常勤講師をさせて頂いている愛知工業大学で卒業設計の審査を務めさせて頂きました。
当時同じように卒業設計に打ち込んでいた僕が10年後に審査する側になるとは思ってもいませんでしたが
中にはうちの事務所へインターンへ来てくれていた学生たちもおり
学生の皆さんの4年間の集大成がどんな建築になるのかとても興味深々で60作品すべてを読み込むのは大変でしたが
審査を終えた今思い返してもとても面白かったです。
おそらく僕は他の先生方とは少し世代が違うので作品の見方もちょっと違うかもしれないけれど
審査員ごとに全く違った評価軸があっても良いんじゃないかなと
そんなことを思いながら審査をさせて頂きました。
少し総評的に個人的な意見を述べさせてもらうと
建築を通して社会問題と正面から向き合うのはとても良い反面
問題解決に焦点を当てすぎるとネガティブな説明が多くなりがちなので
もっと純粋に自分の思う理想の建築像を思いっきりぶつけてくれたらそれで良いです。
でも、卒業設計にはその人の気持ちが現れるので並んでいる作品を見てすぐに熱量は伝わりました。
こうして非常勤講師のお声がけを頂くまでは、僕が学生になにかを教えることは全然意識したことがなかったですが
なんだか当時の自分に向けて言っているようにも思えるので、将来設計で頑張りたい学生にとって気軽に頼れる存在になれれば良いし
今うちに来てくれている子たちも仕事を手伝ってくれるよりも、うちの環境を上手く使って自分に必要な活動をしていてくれればそれで良いです。
うちにいて学校の課題がやコンペが捗るならやっていれば良いし
うちの作業場が模型つくりやすいならやっていればいい。
目の前で頑張っている人がいるだけで十分こちらも得るものがあるので。
2024年2月29日
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